Black Sabbath(ブラックサバス) 紹介&好きなアルバムランキング
どーも。文系大学院生のandrewjacovsです。今日は初めて音楽について書いていきたいと思います。
私はロックがとても好きなのですが、好きになったのは大学に入ってからです。高校生までは洋楽といえばMichael JacksonとQueenしか聴いてませんでした。Queenは親の影響で、Michael Jacksonは学生時代に死去したことからきっかけを持ち聴きだしたわけっす。
大学に入って軽音サークルに入って自分の無知を恥じ、いろんな音楽を聞こうと決めました。いろいろ聴いてく中で、3大ハードロックバンドを知ったわけですね。
3大ハードロックバンドとは、ハードロック黎明期に活躍したイギリスの3つのバンドのことですね。3大ハードロックという名前は勝手に日本人が名づけたものです。
具体的には
Led Zeppelin(1968~1980)
Deep purple(1968~1976, 1984~)
Black Sabbath(1968~2017)
の三つのバンドですね。
日本だとツェッペリンとパープルがやはり有名で、ブラックサバスの知名度は低いですね。本国イギリスでの評価としてはLed Zeppelin≒Black Sabbath>Deep Purpleという感じのようですね。パープルは元々アメリカと日本で爆売れして逆輸入されたタイプのアーティストですし。
とりあえずこの三つを基礎として聴こうと思い、順番に聞きました。最初はパープルしか理解できなかったですね。ブラックサバスは一番評価が高い"Paranoid"(1970)を聞いたのですが、ほんとにわからなかった。なんかドロドロしてんなーって感じでしたね。
その後ツェッペリンを何度も聞き返して、めちゃくちゃ好きになったのですが、ブラックサバスは2年くらい放置してましたね。で、2年たった後に聴きなおしたら、これがめちゃくちゃいいんですよ。なんでそう感じるようになったのか、考えられる理由最後に書いていこうと思います。
【Black Sabbath メンバー】
写真左から紹介していきます!
Ozzy Osbourne(Vo.)
1948年生まれ。1977年で一度脱退。その後はソロ活動を続ける。その後何度か復帰を経て現在でもソロで活動中。独特な黄色い声が特徴的。すぐれたヴォーカリストであるだけでなく優れたパフォーマーでもある。
Tony Iommi(Gt.)
1948年生まれ。ブラックサバスの心臓。初期はブルースを独特に解釈することに長けたギタリストだったが、中期以降は独自路線を歩みだし、ヘヴィなリフを特徴とするようになる。アイオミのヘヴィなリフはメタルの先駆けとなっている。また、1980年代にはハードコア勢、1990年代にはグランジ勢により再評価された存在でもある。
Geezer Butler(Ba.)
1949生まれ。独特な湿度の高い音を出すベーシスト。アイオミがヘヴィで思いリフことが多いので、出せる音域は非常に限られているが、アタックの強い音で存在感を出していることに加え、中音域も使う。ハードロック系のベーシストのあこがれの存在では?
Bill Ward(Dr.)
1948年生まれ。非常に力の強いドラマーで、特にスネアの音の跳ね方は異常。スタジオでは手元のタムで演奏しているところをライブでは、キックを用いて演奏することがあり、そのバージョンが非常にかっこいい上に正確さも兼ね備えている。
7枚目で一度ヴォーカルのオジーが脱退し、8枚目の途中で戻ってくるものの、8枚目の後ふたたび脱退。その後はいろんな人がヴォーカルを務めることになります。それ以外にもちょくちょくメンバーチェンジしてます。ここから先は初期六枚をランク付けしていきます。
【初期アルバム六枚ランク付け】
〈1位〉Master of Reality(1971)
1. Sweet Leaf(5:05)
2. After Forever(5:26)
3. Embryo(0:28)
4. Children of the Grave(5:17)
5. Orchild(1:31)
6. Lord of This World(5:25)
7. Solitude(5:02)
8. Into the Void(6:10)
※赤字はおすすめ曲
ブラックサバスの3枚目のアルバム。初期二枚はブルース色が比較的強いアルバムですが、この3枚目からメタルの方向性に一歩踏み出しています。でも、メタルじゃない。メタルに行くほどテク重視、ノリ重視じゃない。このアルバムには確実にメッセージ性があるように思います。"Master of Reality"とは、「実在の達人」とでもいうべき意味です。要するに、我々の生き方、実在の在り方を表示するようになっています。我々の人生をしっかり理解するには、我々の正の負の側面を明確に受け止めなければなりません。このアルバムの曲は正の負の側面を表しています。"Sweet Leaf"で薬物について歌い、"After Forever"で我々がよりどころにする死後の世界と永遠性について歌い、"Childern of the Grave"で今生きている子供たちは墓場に住んでいる同然であると歌い、そして結局すべては無駄なのだと"Into the Void"で締めくくります。素晴らしい!アルバム全体の流れを一番意識しているのもこのアルバムだと思います。見て分かるように5分ほどの曲が続く中に、非常に短い曲が挟まることでテンポが作られています。しかも、これらの短い曲が非常に練られていて、アルバムの世界観を構成する大きなピースになっています。あたかも廃墟の城に住む世捨て人を意識して作ったかのようなアルバムです。
このアルバムからギターのアイオミはドロップチューニングを使うようになり、ヘヴィイなリフを引くようになります。そしてこのアルバム以降、サバスはこの路線を進め、メタルへと接近していくようになります。ブルースとメタルの間、まさにハードロックとしてのオリジナリティが最もあるアルバムだと思います。また、90年代にグランジ勢により最も評価されたアルバムです。ヘヴィで重厚だけどメタルじゃない、という点はグランジに通じる面があります。
〈2位〉Paranoid(1970)
1. War Pigs(7:54)
2. Paranoid(2:49)
3. Planet Caravan(4:29)
4. Iron Man(5:54)
5. Electric Funeral(4:49)
6. Hand of Doom(7:08)
7. Rat Salad(2:29)
8. Fairies Wear Boots(6:13)
※赤字はおすすめ曲
2枚目のアルバム。おそらく、一般的には最も評価の高いアルバム。一枚目の路線をさらに進歩させ、ブルース臭を残しつつも、ハードロックを確立することに成功したアルバム。ブルース由来のハードロックの音をアイオミのギターから聞くことができるのはおそらくこのアルバムが最初で最後だと思う。1枚目に比べて比較的ポップな曲が多いように思る。1~4曲目の流れは完璧。1枚目で確立した黒魔術的な世界観を受け継ぎながらも、ポップさを獲得しているのが素晴らしい。
〈3位〉 Vol.4(1972)
1. Wheels of Confusion / The Straightener(7:48)
2. Tomorrow's Dream(3:09)
3. Changes(4:42)
4. FX(1:38)
5. Supernaut(4:31)
6. Snowblind(5:26)
7. Cornucopia(3:52)
8. Languna Sunrise(2:50)
9. St. Vitus Dance(2:28)
10. Under the Sun / Every Day Comes and Goes(5:50)
※赤字はおすすめ曲
4枚目のアルバム。3枚目で見せたヘヴィな路線をおし進めた感じのアルバム。また、このアルバムからメロトロンを導入し、シンセサイザー的な音も入るようになる。そのためか、前作に比べて軽快な曲が多く、アップテンポで楽しめる曲も多い。個人的にはそんななかで3曲目の"Changes"を評価したい。この曲でのオジ―の歌唱は今までの彼の歌唱と全く異なる。上質なジャズ・ヴォーカルのような側面を見せている。また、6曲目の"Snowblind"は前作の"Sweet Leaf"と同じく薬物についての歌である。薬物の破壊性と快楽を非常にうまく表現した楽曲だと思う。
全体的に勢いがあるアルバムだが、後半は正直記憶がない。そのあたりが上位2枚との差のように思える。
〈4位〉Black Sabbath(1970)
1. Black Sabbath(6:18)
2. The Wizard(4:22)
3. Behind the Wall of Sleep(3:38)
4. N.I.B.(6:04)
5. Evil Woman(3:22)
6. Sleeping Village(3:46)
7. Warning(10:27)
8. Wicked World(4:42)
※赤字はおすすめ曲
記念すべき1枚目のアルバム。自主制作版だが、1枚目とは思えないほど世界観が出来上がっており、非常に練ってアルバムを作ったことがうかがえる。特に1曲目の"Black Sabbath"はブラックサバスとはこういうバンドですよ、という自己紹介にうってつけの曲であり、アルバムだけでなくバンドの方向性を示した驚異的な楽曲だと思う。他のアルバムに比べ圧倒的にブルース色が強く、当時の他のハードロックバンドと非常に近いものを感じ、まだオリジナリティが世界観で終わっていて、楽曲にまで反映されていないように思う。加えて、1曲1曲が違う方向を向いており、散らかったアルバムになっていることは否めない。しかしながら、ツェッペリンの1枚目と同様に、その散らばりを楽しむことができる。また、ブルースとしてのブラックサバスを楽しめるのはこのアルバムが最初で最後。2曲目の"The Wizzard"は、ハーモニカを使ったブルース色の強い楽曲で、2枚目以降では絶対に堪能できない曲である。4曲目の"N.I.B."はギーザ―の湿度の高いベース音を楽しむことができ、3枚目のベースの音をすでに先取りしたかのような曲である。7曲目に"Warning"という長尺の曲があるのも当時としては面白い。
〈5位〉Sabotage(1975)
1. Hole in the Sky(3:59)
2. Don't Start(0:49)
3. Symptom of the Universe(6:30)
4. Megalomania(9:42)
5. The Thrill of It All(5:55)
6. Supertzar(3:43)
7. Am I Go Insane ?(4:13)
8. The Writ (8:44)
※赤字はおすすめ曲
6枚目のアルバム。7枚目と並んで駄作として有名。この2枚がブラックサバスの凋落を表しているという人も多分いると思う。多分理由としては手詰まり感が否めない点と、アイオミのギターの音があまりよくないことが原因だと思う。4枚目でメロトロンを使いだしてから、やはりサバスの持っていたダークでヘヴィな雰囲気は減っていき、それ以上の新しいサバスを象徴する「何か」を作り出すことはできなかった。4枚目は目新しさと曲の質で乗り切ったが、それ以降は下降線。でも、このアルバムは評価する点も多くある。手詰まりだからだと思うが新しいことにおもいきって挑戦しているように思える。このアルバムはハードロックというよりもむしろプログレハードに近い。70年代終わりから80年代にかけてのアメリカンプログレハードを先取りしているような楽曲が多い。その意味で、先見の明はあったと思うし、もっと評価されてよいアルバムかと。3曲目の"Symptom of the Universe"と4曲目の"Megalomania"が特にそう。気持ちとしてはRushやStyxとかを聴くときのテンションで聴くとよいと思う。結構ボロカスに言ってしまった点もあるが、私はこのアルバムは大好きだし(というか、もともと好きなブラックサバスを格付けしているわけなので、下位でもどれも好きである)、駄作として片づけてしまうのはもったいないと思う。
〈6位〉Sabbath Bloody Sabbath(1973)
1. Sabbath Bloody Sabbath(5:46)
2. A National Acrobat(6:15)
3. Fluff(4:09)
4. Sabbra Cadabra(5:57)
5. Killing Yourself to Live(5:42)
6. Who Are You ?(4:11)
7. Looking for Today(5:01)
8. Spiral Architect(5:27)
※赤字はおすすめ曲
5枚目のアルバム。4枚目のメロトロン導入後の路線を進めたアルバム。1曲目の"Sabbath Bloody Sabbath"は最高。オジ―のハイトーン・ヴォイスが上手くいかされた名曲。ただ、全体を通してはちょっと似た曲が多いかなという印象。全部同じ味がするって感じで、そういう点がメタルのアルバムと似た雰囲気を持つ。後、正直このアルバムからギャグっぽさが正直あるかな。4曲目とかふざけた曲名だし。あと、メロトロンがかなり主体になっててアイオミのギタープレイが他のアルバムと比べて面白くない。6枚目のところでアイオミのギターの音が悪いといったが、このアルバムはプレイが型にはまりすぎてる気がする。
そもそもこのアルバムを作るときに非常に大きなスランプに陥り、イギリスの古い城に宿る「力」を借りて創造性を呼び戻した、とかいう逸話があるほど、産むのが苦しかったアルバム。スランプを感じさせていない点はさすがだし、こういった逸話も込みだと楽しく聴けるが、全体としてはやや物足りない。
これでランク付け&レビューは終わりです!まとめると以下の通りです!
1位 Master of Reality(1971)
2位 Paranoid(1970)
3位 Vol.4(1972)
4位 Black Sabbath(1970)
5位 Sabotage(1975)
6位 Sabbath Bloody Sabbath(1973)
【終わりに:ブラックサバスが好きになった理由】
最後に、なぜ全然わからなかったブラックサバスをいいと思えるようになったのか、考えられる理由を書きます。それはおそらく、ブラックサバスが影響を与えた音楽、ブラックサバスが影響を受けた音楽、この二つを聴いたからだと思います。最初のサバスを聴いたときはホントに何も知らない状態でしたが、その後いろいろ聴きました。特に大きかったのはグランジとブルースですね。グランジは「ブラックサバスが影響を与えた音楽」です。ブルースは「ブラックサバスが影響を受けた音楽」です。グランジとブルースを聴いたうえで、ブラックサバスを聴くと彼らの革新性と先見性に気づくことができると思います。彼らは枠にくくられない特異なアーティストだと今では感じます。ブルースに影響を受けながらも、ハードロックをそこから獲得し、そこにとどまらずメタルとグランジの萌芽となっています。彼らの特異性を知覚できるだけの音楽体験が私には欠けていました。ジャンルの「間」としてぜひ彼らを感じてみてください。ブルースが好きな人は1枚目、グランジが好きな人は3枚目、ハードロックが好きな人は2枚目から聞くことをお勧めします。
最後に、かっこいいライブの映像を貼っておきますね。
それではまた!